vol.5

今までとは違う視点・テーマで音楽をとらえて紹介します

燃えるような秋の紅葉を見ながら聴きたい曲

都会生活は刺激的だが、それにウンザリしてしまうときもある。そんなときは自然に癒してもらい心のバランスをとりもどす。緑の多い公園を散歩したり、紺碧の空をあおいだり、よせてはかえす波をながめたり・・・。

秋も深まるころ、無性に紅葉が見たくなった。燃えるような紅色が、しぼんだ心に活力をくれそうな気がしたのだ。 都心から電車に揺られて約50分、ついた場所は高尾山。最近、身近に自然を堪能できることで、注目を集めているスポットで、秋の一日を過ごすことにした。

北にイヌブナなどの落葉広葉樹、南にカシ類が中心の常緑広葉樹が広がり、東京とは思えない自然を目にしたとき、聴きたくなったのはコールドプレイの「美しき生命」。重厚ながら心地良さすら感じられるストリングに載せた力強いメロディは、まさに生命のパワーそのものに感じられる。

谷から谷へと広がる絶景の紅葉を目に焼き付け、森林浴で気持ちが安らいだころ聴きたくなったのは、ヨーヨー・マの「タンゴ組曲・アンダンテ」。豊かな表情に彩られたチェロのメロディ・ラインは、自然の恩恵で心が洗われ、ふっくらとした心の中へ見事にしみ込んできた。

気がつくと電車は新宿に到着。都会の喧噪を「これもいいよね」と思う自分に戻っていた。
(選曲:エスプレシーボ)


Viva La Vida

美しき生命(Viva La Vida)

ヨーロッパ全土で400万枚、アメリカでは200万枚と爆発的なセールスを記録した、ファースト・アルバム『パラシューツ』の衝撃デビューした、コールドプレイ。アルバム『美しき生命~Viva La Vida Or Death And All His Friends』のタイトル・トラック「美しき生命」は、彼らを新たなステージへと押し上げた象徴的トラックである。viva la vida=生命万歳というタイトル通り、生命力溢れる彼らの最高傑作といえるだろう。

アンダンテ

タンゴ組曲 アンダンテ

アルバム『ソウル・オブ・ザ・タンゴ』は大ヒットを記録し、ヨーヨー・マの名前を一躍有名にすることになった。ラテン音楽ならではの、喜怒哀楽の情感が率直かつ情熱的に示された、心地よいアルバムである。ヨーヨー・マはこの作品で初めてピアソラゆかりのタンギスツと共演し、かの地ブエノスアイレスでこのアルバムを制作した。