vol.9

今までとは違う視点・テーマで音楽をとらえて紹介します

卒業の季節に聴きたくなる曲

卒業は誇らしくも心細い。
卒業のたびにひとつ大人に近づく喜びに胸を張って空を仰ぎたくなる。一方、これから待ちうけている未知の世界に足を踏み入れるには、まだまだ力不足な自分が心細い。

それでも前に進んでいく。自分の未来を信じているから。しばしの別れに不安はない。友の想いを信じているから。

3月になれば思い出す。居心地はいいが、ちょっと窮屈な実家のこと。窮屈から卒業したくて、人は大人になっていくのだろうか。いや、窮屈さがわかるようになったから、子どもを卒業して、大人になっていくのだろう。
(選曲:エスプレシーボ)

img


By Your Side

さくら

森山直太朗、2枚目のシングルで最大のヒット曲。卒業の歌としてのイメージが強いが、実際は森山の友人の結婚をきっかけに作られた。友人の旅立ちを無責任に祝うだけでなく、幸せばかりでない人生を、迷った時には変わらない場所と仲間で出迎えよう、という変わらない想いを込めたという。

The Gift

旅立ちの日に

埼玉県秩父市立影森中学校教員によって1991年に作られた卒業の歌。作詞は当時の校長であった小嶋登氏、作曲は音楽教諭であった坂本浩美氏。当時の「三年生を送る会」で教職員が歌ったのをきっかけに、以後生徒たちが歌うようになった。小嶋先生は2011年1月20日にご逝去されました。