vol.12

今までとは違う視点・テーマで音楽をとらえて紹介します

夏日に聴きたくなる曲

強い日差しの中でジリジリと汗をかきながら歩く田舎道。暑さでボンヤリとした視界に入り込んでくるのは、咲き誇ったひまわりの花・・・。

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季節を代表する映画というのがある。熱い日差しの中にいると、思い出す映画が「スタンド・バイ・ミー」だ。おそらく誰にでもあったであろう「早く大人になりたい」という、ちょっと背伸びしたい純粋な願望が。その真逆の大人になったことで何かを失なった寂しさ、虚無感。アンビバレントな思いを夏の太陽があぶりだす。

主題歌の「スタンド・バイ・ミー」を歌うベン・E・キングの声が、やり場のない子どもと大人の気持ちを表すかのように切ない。清々しい高原のひまわりの花に合うのは、葉加瀬太郎の曲。そのものずばりの「ひまわり」だ。太陽に向かってまっすぐに伸びていくひまわりのような、バイオリンの音色に思わず涙しそうになる。
今年の夏は大好きな曲と一緒に電車へ乗って、ちょっと遠いひまわり畑に出かけてみませんか?
(選曲:エスプレシーボ)


Stand By Me

Stand By Me

アメリカのコーラスグループ、ドリフターズのリードシンガーだった、ベン・E・キングがソロに転向して歌い、1961年に全米4位まで上昇したナンバー。映画の大ヒットで20数年の月日を経て、再びシングルチャートを駆け上る快挙を成し遂げた。スタンダードナンバーとして、ジョン・レノンをはじめ多くの歌手にカバーされている。

ひまわり

ひまわり

1990年に「KRYZLER&KOMPANYのバイオリニストとしてデビューしてから、今年でデビュー20周年を迎える葉加瀬太郎。その記念アルバムとして発売された「EMOTIONISM」には、彼の音楽を愛する原点でもある「子供心」や「夢」をキーワードに新作のオリジナル作品11曲と、生誕200周年を迎えるショパン&シューマンの曲を含む全14曲を収録。4曲目に収録されている「ひまわり」は、NHKの朝ドラ「てっぱん」のオープニングテーマとして、書き下ろされた曲でもある。